ドイツ留学 ~工場見学~
十月下旬、語学学校主催の工場見学に参加した。
国籍もクラスもバラバラな二十人程の参加者の中に知り合いは全くいなかった。
工場に関する説明や質疑応答にもついて行けず、せめて友人作りでもと思ったのだが、もう会うこともない相手ではそれも難しい。
この頃、なんとなくコミュニケーションでの行き詰まりを感じていた。
友人を作ろうとして疲れている自分が馬鹿らしく思えてくる。
スウェーデンの一回り年上の女性と見学の間にずいぶん色々な話をして、連絡先を交換したが、やはりお互いに連絡することは一度もなかった。
馬鹿らしいーーと、一時期は疲れていたが、今はもう名前も覚えていない女性の、屈託のない笑顔だけは妙に記憶に焼きついている。
一期一会には、親しい友人とはまた違う楽しみ方があるのだろう。
お土産のヨーグルト。