ドイツ留学 ~いきなり日帰り旅行、シグマリンゲン城 こぼれ話~
チロの最愛のガールフレンド、クリスティーナは最上級のクラスであるC1に在籍しており、イタリア訛りの全くない、完璧なドイツ語を流暢に話した。
彼女はチロにベタ惚れで、これはあまりチロと仲良くしすぎると怖いかも、と思って、私は先に彼女と仲良くなるように努めた。
彼女は私と同じくらい、いやそれ以上の写真好きで、一眼レフを構えてプロばりのアングルへのこだわりを見せた。
フェイスブックでも見たが、彼女が撮る写真は色鮮やかで美しい。
私は率先してカップルの写真を撮ってあげることにして、クリスティーナも私に頼むようになった。
「ねえ、撮ってくれない?」
と言うのでカメラを受け取ろうとすると、
「違うの、あなたと私の写真が欲しいのよ」
何回か後で、彼女は私とのツーショットを撮りたいのだと言った。
この女性は彼氏以外に興味がないのではないかと思い始めていたところだったので、驚いた。
そして、純粋に嬉しかった。彼女は私を友人と認識してくれたのだ。
帰国後の今も、このカップルとは手紙のやり取りをしている。
結婚式には日本からイタリアに駆けつけるつもりだ。
とりあえず今は、クリスマスが近いので、そろそろクリスマスカードを書こうかと思っているところだ。