ドイツ留学~ローテンブルク滞在記02~
誰もいない早朝のローテンブルク。
朝靄に包まれて、静寂の中、自分の足音だけを聞いていた。
道の先はどこまでいっても人影すら見当たらない。
昨日の昼は多くの人がカメラを構えていた。
まだカフェが空いていなかったので、しばらく教会の中で休憩した。
店が開き、ツアー客が動き出した頃、博物館に入った。
昼食の後、馬車で四十分ほど観光案内をしてくれると言うので、10ユーロで乗せてもらった。
車さえなければ、中世の町並みとしか思えない。
説明によれば、この町は一度戦争で壊滅したらしい。
それを嘆いたアメリカの富豪が寄付したり、世界中に寄付を呼びかけたりしたことから、現在の形になったらしい。
ある種の「作られたような」雰囲気も確かにあって、ローテンブルクはテーマパークのようでもある。
本当の中世の面影を見たいなら、この近くにある町に行くといい。
そう言われたが、残念ながら行く機会もなく、その町の名前も忘れてしまった。
これは本当に、全ての博物館を見て回れるかもしれない。
そこで、私は道に迷いながらも、親切なおばあさんに道案内してもらい、最後の博物館を訪れた。
ここではお金を払って撮影許可を得た。
列車が来るまでカフェに入り、ローテンブルクから家族と恋人に絵葉書を送って、初めての一人旅は終了したのだった。