最終日の夜、ホテルの近くにあるチボリ公園を訪れた。95クローネ、日本円で1900円程で、遊園地にしては安い。最初は何か一つくらい乗り物で遊ぼうかとも思っていたのだが、一人で乗る気にならず、散歩してしっとりと楽しむことにした。
クリスマスの時期はすでに過ぎているが、マーケットのような屋台やイルミネーションを見て、つい最近終わったばかりのクリスマスを思い出した。そうかと思えば、頭にも足のついた謎の巨大タコがいたり、千と千尋の世界を彷彿とさせる中華エリアもあったりで、多彩な遊園地はただ歩き回るだけでも満足させてくれた。
チボリ公園には二時間ほどいただろうか。さてホテルに帰ろうと公園を出ると、路上で爆発音が響いた。すでにネットで知っていたことだったが、ヨーロッパの年越しは非常にバイオレンスなのだ。路上では爆竹や花火がこれでもかというほど連続して爆発し、デンマークの去年の大晦日では、何十人もの怪我人が出たという程だ。
巻き込まれてはたまらないので、花火を遠目に見ながらホテルの部屋に戻った。
テレビをつけると、ちょうど各国の年明けの様子が映し出されていた。そこに日本とドイツの映像もあり、懐かしく思った。ドイツで年越しを迎えていたらどんなだっただろうと想像して、少しだけ惜しい気分になる。
デンマークの人は、テレビやラジオで女王の演説を聞いて、年越しを迎える。私もそれに倣ったが、何を言っているのか、さっぱりだった。単語が少し似ているから、もしかしたら聞き取れるかもと思ったのだが、発音は全然違うらしい。
十二時を過ぎてからもう一度外に出て、知らない大勢の人々と並んで、打ち上げられる花火を見上げた。