ロンドン巡礼記②ハリポタ、ホームズ、ビートルズ!
住むならドイツの方が私の気質に合っているのだけれど、イギリスには私が憧れてやまないものが沢山詰まっている。あまりに好きすぎて、作品がオマージュにならないようにとドイツ文学科を選ぶほど、憧れが強すぎて敬遠してしまうほど、イギリスが好きだった。
留学中にイギリスを訪れるとは思っていなかったため、ガイドブックも持っていなかった。駅で無料配布されている地図を頼りに、色んな人に道を聞きながら、手探りで移動している間に、それぞれの路線を理解するようになった。
キングスクロス駅では、ハリポタの「例の壁」にカートがめり込んでいて、そこが写真撮影のスポットとなっていた。完結した今でも根強い人気で、長蛇の列が出来ていた。映画に出てきそうな彫りの深い顔立ちの、ユーモア溢れる係員さんが、私の首にハリポタのマフラーを巻いてくれた。そして、まるで走っているかのようにマフラーの端を放り投げた瞬間を、別の係員さんが写真に撮った。自分のデジカメでも撮ってもらったのだが、せっかく来たのだからと、台紙付きの写真を購入した。
「プラットフォーム9と4分の3」というファンショップもあったが、こちらは少し見るだけに留めておいた。明日はワーナー・ブラザーズのハリポタ映画スタジオの見学ツアーが待っている。
うっとりしながら、一応九番線の写真も撮って、後ろ髪を引かれつつ駅を去った。
その次に訪れたのが、ベーカーストリート。駅を出てすぐの所に、ホームズ先生の銅像が立っていた。
お目当てはシャーロック・ホームズ・ミュージアム。ここはさらに長蛇の列で、一時間半も待たされたが、すぐそばにビートルズのファンショップがあった。一時間半、何もせずに待っているのは辛い。後ろに並んでいた男性に、「このお店をちょっと覗きたいので、また後でここに戻って来てもいいでしょうか」と尋ねると、快くオーケーしてくれたので、店に入ることが出来た。
私のビートルズ好きは父の影響で、これは是非とも父にお土産を買って帰らねばと、缶ケースとコースターを購入した。
あまり長くいるのも気が引けたので、会計を済ませるとすぐに列に戻った。後ろにいた男性は、気さくに「欲しい物は買えた?」と声をかけてくれたので、しばらくの間、観光者同士の世間話を楽しんだ。
そして一時間半後、いよいよ博物館の中へ。好きな物を三つ立て続けに堪能出来たという興奮から、頭がくらくらした。どれも、小学校の頃からずっと好きで堪らないものだ。