auf der Reise~旅の空~

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作家を目指す院生です。ドイツ留学時代の日記を中心に更新していましたが、院試(転科)→就活などのドタバタ挑戦ブログだったり、お出かけブログだったりと、割りと何でもアリで色々やっています。美術館めぐりも少々。

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ドイツ一週間一人旅①~ミュンヘン(1)新市庁舎とレジデンツ~

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四月の終わり、とうとう計画していた「ドイツ一週間一人旅」を決行した。

本当はベルリンからブレーメンに行って「ドイツ一周旅」にするつもりだったのだが、ある事情からそれを断念したため、フライブルク→ミュンヘン→バイロイト→ドレスデン(途中ポーランドに立ち寄り)→ベルリン→ヴュルツブルクとなった。

朝七時、フライブルク中央駅からバスに乗った。途中ドレスデンからポーランドに立ち寄る以外は、全てバス旅だ。旅費を浮かせる為というのもあるが、「インドのデリーからイギリスのロンドンまで・・・・・・」で有名な、バックパッカーたちのバイブル「深夜特急」の影響が強い。

実際、私は完全にバックパッカーだった。リュックの中にはガイドブック、手帳、日記帳、最低限の着替え、アメニティグッズ、目覚まし時計の他には、少林寺拳法の道着が入っていた。

ミュンヘンの道院はメーデーという祝日で練習がなくなってしまったため参加出来なかったのだが、ベルリンのほうは「是非いらっしゃい」という返事をもらっていた。

そういうわけで、旅行だなんてオシャレなものではなく、放浪の旅に近かった。

フライブルクからミュンヘンまでは、バスで五時間。十五ユーロ程だった。

朝が早かったため、バスが発車した途端眠っていた。気がついたら、ミュンヘンにたどり着いていた。

この日は眩しいほどの晴天だった。バスを下りて最初に見た宮殿風の白い建物に、エキゾチックな白い門、旬の白アスパラ、白い噴水。そして何より、あの巨大な白い市庁舎。

寝起きの頭に「白」が焼きついて、「太陽の光」と「白」が私のミュンヘンのイメージを構成することとなった。

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午後十二時、散策が始まった。

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最初に向かったのは新市庁舎。そのあまりの大きさに絶句し、カメラのアングルに迷った。何枚か満足のいく写真が撮れたのだが、この街で一番高い聖ペーター教会に登って撮るのが一番良さそうだ。

新市庁舎に背を向けようとした時、隣で自分と同じように、こっちはしっかりした一眼レフを構えて、市庁舎を撮っている青年に気がついた。彼は花にアングルをあてて、背景として市庁舎を映していた。

彼がそこから離れたので、私も同じアングルでやってみた。

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腕は悪くないと思うのだが、やはりデジカメでは限界がある。

二年前に買ったこのデジカメは一眼レフと同じくらいの値段だったけれど、この留学を含めて一万枚以上撮っていたため、劣化が始まっている。

何枚か撮り終えて振り返ると、すでに去ったと思っていた青年が後ろに立っていた。

「いい写真が撮れた?」

陽気に笑いかけてくれたので、同じ一人旅のバックパッカー(彼もリュックを背負っていた)という仲間意識から、「ええ、あなたのおかげで!」と笑い返した。それから、互いに良い旅を、と言い合って別れた。

新市庁舎の前には人だかりができていた。カメラマンに警備員までいる。警備員の男性にこれは何かと尋ねると、市長の退任式だと教えてくれた。その後、何かジョークを言ったようだったが、聞き取れなかった。どうもバイエルン訛りが聞き取りにくい時がある。

市長の近くまで行ってみると、にこやかに市民と握手をしているところだった。ずいぶん慕われていたようだ。列に並んでいる市民は市長のポストカードと小さなスクエア型のケーキを持っていた。ケーキには市長の顔がプリントされていた。

写真に撮りたいが、市民でもないのにこの列に加わるのは悪い。そこで、近くにいた女性に話しかけて、ついでを装って写真に撮らせてもらった。女性は不審がるどころか、「これ食べかけよ」と大笑いした。何かのツボにはまったらしい。

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次に向かったのはレジデンツ。私の日記のメモには、「王家ヴィッテルスバッハ家の宮殿。1918年バイエルンは王政崩壊(Das ist das Palast der königliche Familie.In 1918 hat die Monarchie in Bayern zusammengebrochen)」とある。

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ドイツで王室と聞いても、なんだかしっくりとこない。金一色の豪奢な宮殿は、コンパクトでちょうどいい広さだった。旅行客の団体とちょうど入れ違いになったようで、レジデンツには私しかいないんじゃないかと思うくらい、人気がなくて静かだった。

色んな角度から写真を撮った後、長い廊下の隅に腰をかけて、ぼんやりと天井を眺めた。本当に静かな時間だった。見知らぬ街の非日常的な空間でぼんやりしていると、夢の中にいるように、「自分は今ここにいる」という実感が乏しくなってくる。

実は、自分の体は日本から出ていなくて、これは長い夢なんじゃないか。今なら、そんなファンタジーも信じてしまいそうだった。

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Commented by majani at 2015-06-30 20:35
こんにちは。「旅とお散歩」からやってきました。

異国ならではのバックパッカー同士のさりげない交流のことなど、
楽しく読ませていただきました。
白アスパラの立派なこと!
市長のケーキより、よっぽど美味しそう・・・

また寄らせていただきますね。
Commented by white12211122 at 2015-07-02 23:21
majaniさん
はじめまして、コメントありがとうございます(^^)
写真がプリントされたケーキって初めて見たのですが、確かに美味しそうではありませんでした(笑)
majaniさんのブログにも遊びに行かせていただきました!
とても読みやすい文体で、参考にさせていただきたいと思ったのでお気に入り登録させてもらいました。シンガポールのお話など、更新楽しみにしています。
by white12211122 | 2015-06-30 06:10 | ドイツ留学の思い出 | Comments(2)