auf der Reise~旅の空~

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作家を目指す院生です。ドイツ留学時代の日記を中心に更新していましたが、院試(転科)→就活などのドタバタ挑戦ブログだったり、お出かけブログだったりと、割りと何でもアリで色々やっています。美術館めぐりも少々。テニスを辞めてジム通い始めました。就職決まったので次は修論です。

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京都 怪異めぐり④~洛西:仁和寺~ sanpo

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京都は洛中から洛西へと移り、仁和寺を訪れました。

仁和寺と言えば『徒然草』の「仁和寺にある法師」。

国語の教師なら仁和寺くらい行っておかないとね、と昔ある先生がおっしゃっていたのが記憶に残っていたためです。

後から調べて知ったことですが、『京の桜は東の清水、西の御室(おむろ=仁和寺のこと)』で、「彼女は御室の桜やなあ」とは、白く気高い清廉さから可愛い人を指して言う言葉だそうです。

ちなみに仁和寺にも怪異があって、仁和寺の六本杉の梢に愛宕や比叡山から飛んできた天狗が並び、「天狗評定」というものを行うそうです(ーーあ、こんな話も書いてみたいな)。

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なんとなく小さなお寺を想像していましたが、実際には大きな門に広大な敷地、日本美溢れる庭に五重塔と見所が満載でした。

まずは有料の庭園に足を踏み入れ、松の木と白砂を横目に奥へと進みます。

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夕方四時の仁和寺は人も疎らで、ゆっくりと余裕を持って見て回れました。

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「この歳になってようやく日本庭園の良さがわかった」

庭の写真を撮っていると、私より少し年下くらいの女の子二人組みがそう話しているのが聞こえてきました。

「小学校の遠足とか興味なかったし、あんまり若い頃に行っても意味ないよね」

意味はないーーのだろうか。

ちょっと考え込んでしまいました。

そんなことはない、意味のないものはない、と一言で片付けてしまうのは簡単ですが、自分の価値観で意味がないと言っている側に、そんな曖昧な反論は響かない。

私自身も、両親や祖母連れられて、幼い頃に何度も高野山や伏見稲荷を訪れましたが、なんだか古めかしいつまらないもの、というイメージが染みついていました。

それが、急に興味を持つようになったのは、彼女たちの言うように二十歳を越えてからでした。

十代の頃には興味がなかったものに関心を持つようになるーーその過程には、きっと自分だけの「過程」があって、それが自分を形作っているに違いない。

その過程ときっかけが自分の言葉で説明出来るようになったら、人間的に深みが増すーーつまり、成長できるんじゃないか。

そんなことをつらつらと考えていました。同じように観光している人たちの言葉から、今回はそんな発見がありました。

日本の庭は思索の場所。空間を生み出す建築が、そこに訪れる人との接触が、何かを発見させてくれる、そんな場所。

実際に行って自分の目で見ることーー明確に言葉では表せませんが、確かに自分のなかに経験がまた一つ積み重なったように思います。

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庭園を出て、一番奥まで進んで参拝して一時間。

五時を回って、京都中の神社仏閣が門を閉じる頃ですが、八月十六日の清水寺は特別です。

バスで四条河原町に向かい、そのまま帰る予定でしたが、夜間参拝も可能な千日詣りと知って予定を変更。

急遽、洛北へと向かうことに決めました。

それにしても、仁和寺の法師が石清水八幡宮に行く話なのだから、石清水八幡宮に行くべきだったのでは?

と、気づいたのは帰宅した後でした。

もっと朝早くに起きていればと悔やみますが、仕方ありません。

悔し紛れに携帯で検索してみると、仁和寺から石清水八幡宮まではバスと電車を使っても一時間半。

徒歩ではーー約四時間。

昔は携帯のナビなんて便利なものはありませんから、もっと時間がかかったのでは?

と思い地図を調べてみると、真っ直ぐに下っていけばたどり着くということがわかりました。

桂川まで歩いていけば、真っ直ぐに下るよりは遠回りになりますが、宇治川、淀川、木津川が合流するところまで行けば、石清水八幡宮の近くまで道案内無しでたどり着けそうです。

なるほど、と一つ学習。

自分が徒然草の「仁和寺にある法師」を解説することになった時に、単に仁和寺の法師が石清水八幡宮という場所に行った、という平淡な解説だけで終わらないように、どうすれば面白くできるかーー。

具体的に考えるには、やっぱり現地に赴くことが大切かもしれません。

次は秋か冬にでも、石清水八幡宮に行ってみるつもりです。


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by white12211122 | 2016-08-20 15:20 | お出かけ | Comments(0)