auf der Reise~旅の空~

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作家を目指す院生です。ドイツ留学時代の日記を中心に更新していましたが、院試(転科)→就活などのドタバタ挑戦ブログだったり、お出かけブログだったりと、割りと何でもアリで色々やっています。美術館めぐりも少々。

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岩手滞在記③盛岡と賢治先生(午後)

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岩手は曇り空の盛岡へ。

「あのイーハトーヴォのすきとほった風、

 夏でも底に冷たさを持つ青い空、

 うつくしい森で飾られたモーリオ市(…)」

とは、『ポラーノの広場』の一節です。

「イーハトーヴォ」は岩手、「モーリオ」は盛岡のこと。

実在の地名をもじった賢治の造語で、彼の心象風景で作られたドリームランドです。

残念ながら青い空を見ることはできませんでしたが、都会でもなく田舎でもない、独特の雰囲気を持つ街をゆっくりと散策してきました。

高校時代に訪れた場所ではありますが、今回はその時に行きそびれた「啄木・賢治青春館」がお目当てです。

その前に、ガイドブックに載っていた盛楼閣で名物の冷麺を。

名物を食べると、なにか達成感があるのは私だけでしょうか。

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周遊バスを使わずに、散歩がてら二、三十分ほど市内を散策。

駅から遠ざかるにつれて、怪しげな玩具屋さんやアパートよりも高い柳、いくつもの鳥居など、独特の景観へと変わっていきます。

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「啄木・賢治青春館」に行く前に、盛岡城跡(岩手公園)など、桜山神社界隈に立ち寄りました。

別の入り口付近にはもりおか歴史文化館がありますが、それ以外に広大な公園には何もなく、閑散としていました。

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夏に咲く白い花を見つけましたが、なんという名前なのかはさっぱりです。

気になるなあ、と思いながら、何枚か写真を撮って通り過ぎます。

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園内には知らない俳人の石碑がありました。

宮野小提灯句碑、とあります。

「月待つや 独り古城の 松のもと」

明治二十八年に盛岡に生まれ、昭和四十九年に亡くなった俳人には、どんな景色が見えていたのでしょうか。

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ひとしきり歩いて満足したところで、公園を去ろうとしたとき、足元をなにか黒いものが横切りました。

振り返ってみると、小さな黒猫がじっとこちらを見上げていたので、思わず写真に撮りました。

散歩中なのか、それともここに住んでいるのでしょうか。

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ずいぶん遠回りをして疲れ切ったところで、「啄木・賢治青春館」へ。

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小さな資料館でした。

賢治と啄木の年譜やゆかりの地、人物などについてのパネルが展示されています。

喫茶スペースがあったので、そこでリンゴジュースを頼んで休憩しました。

夜には台風が来るというので、今日の散策はここまで。

ずいぶん歩きましたが、二回目だからか、訪れた場所はいつもに比べて少な目です。

定番化された観光地を巡る「旅行」ではなく、「旅」がしたいと思いながら、結局は自分にとって楽しい散策が「観光地の多さ」に左右されているので、なかなか難しいものです。

岩手滞在は明日で終了ですが、おしゃれなカフェで小説でも書こうと思って二泊にしたものの、今回は旅に関して初めて失敗しました。行きたい所がもうなかったのです。

もっと色んな場所を訪れて、見たことのない面白いもの、独特の雰囲気を感じたい、という欲求があまり満たされなかったので、少しがっかりしながら帰路につきました。

賢治先生を追いかけて、盛岡で教師が出来たらどんなにいいだろう、と思ったこともありました。

あの時見た盛岡と、今の私が見た盛岡の違いは、「旅行」と「旅」の違いそのものかもしれません。

一回目は賢治にまつわる「観光化された場所の楽し気な雰囲気」を漠然と感じていたのが、今回は「観光地を行き尽して、自分の力でその街の空気を感じなければならない難しさ」を実感した、というところでしょうか。

日本にはまだまだ私の行ったことのない土地がたくさんありますが、どうやったら「旅」を楽しめるか、考える時がきたような気がします。




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by white12211122 | 2016-08-25 23:28 | お出かけ | Comments(0)