auf der Reise~旅の空~

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作家を目指す院生です。ドイツ留学時代の日記を中心に更新していましたが、院試(転科)→就活などのドタバタ挑戦ブログだったり、お出かけブログだったりと、割りと何でもアリで色々やっています。美術館めぐりも少々。

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コペンハーゲン旅行記④シェラン島

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コペンハーゲン旅行で一番楽しかったのが、この四日目だった。

電車に揺られること三十分、私はシェラン島に上陸した。

小学生の頃、ますむらひろしの『アタゴオル物語』という漫画で船旅をしながら様々な島に上陸するという話があり、それ以来島というものに憧れを抱いていたのだが、その時の感覚はまだ残っていたようで、「島に上陸したんだ!」と思うだけで、始終楽しい気分でいられた。

港と、世界遺産であるクロンボー城のアングルがとてもいい。このクロンボー城というのは、シェイクスピアの『ハムレット』の舞台となった城で、夏になれば城の中庭で演劇を上演するという。

まだ昼の十二時だというのに、空が夕暮れのように赤みを帯びていて、不思議な雰囲気を醸し出していた。


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海岸で釣りをしている人たちを見かけて、羨ましくなった。もしかしたら旅行者だったのかもしれないが、これが日常の風景だったら、なんて幸せなんだろうと思ったのだ。

気に入った場所では、そこで生活している自分をふと想像することがある。そういう時、どんなに突拍子のない発想でも、本当に心から望むなら可能なんだと気づく。欲しいもの全ては手に入らないから、取捨選択の末に叶えられない望みがあるのは仕方ないにしても、不可能はない。ありえない、と決め付けている自分の視野の狭さに気づくことさえ出来れば、どこだって行けるし、何にだってなれるーーと。

フェリーで海(エーレスンド海峡)を超えれば、その先にはスウェーデンがある。衝動的に、何の用意もないまま、海を越えてみたくなった。その冒険の先に何があるのかを知りたくて、ふらりとフェリー乗り場を覗いてみた。

時刻表を見て、その危険なひらめきは断念した。さすがに、一日でスウェーデンをちょっと覗いて帰って、シェラン島も観光するだけの時間はない。いくら情熱があっても、物理的に不可能なことは変えられない。

この後に待っているイギリス旅行で無理をするつもりだったため、デンマーク旅行はのんびりすると決めていたのだ。クロンボー城の周辺をのんびりと散歩した後で、今度は市内へと向かって歩き出した。クロンボー城の中に入ることは出来なかったが、写真を撮れただけで満足だった。

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独創的な街並みだと思った。カラフルな建物、変わった形の外観、縦に大きな窓。年末だからなのか、それとも島独特の雰囲気なのか、穏やかな、そして少し寂しい静けさに包まれていた。


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市内の店を見て回り、最後に聖マリア教会に入った。修道院のような教会は、観光客も少なく、しんと静まり返っていた。暗い廊下に、意味ありげな小さな扉。ちょうど中世ヨーロッパを舞台にした小説を書いていた所だったため、自分が作品の中に紛れ込んだような気になった。


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外に出てしばらく歩くと、色鮮やかな壁が目に留まった。ペストの壁画だろうか、と思って、帰ってから調べてみたが、結局わからなかった。

夕方になり、かなり寒くなってきたため、その日は早めに宿に帰った。明日で、短いがのんびりと過ごせたコペンハーゲン旅行も、最終日を迎える。それと同時に、2013年も終わる。来年がどんな年になるのか、この時は全く想像も出来なかった。






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by white12211122 | 2015-03-02 22:18 | ドイツ留学の思い出 | Comments(0)