六義園の夜桜
今年の桜もいつの間にか散っていて、悠長に構えていたのを後悔した時にはもう遅く・・・・・・花の風、花散らしの風によって葉桜になっていましたが、これはこれで情緒がありました。
残花、名残の花。桜にまつわる言葉は、調べてみると意外に多いので、文章中に盛り込んで今年の桜を惜しむことにします。
ライトアップのおかげで、葉桜でも暗闇の中でぼんやりと白く輝いていました。近づいてみると、花明かりが朝靄のように見えて、白夜を見た時のような不思議な気分になりました。
桜の別名の一つに、夢見草という呼び名があります。
色んな花がありますが、夜に異彩な魅力で人を惹きつける花というのは、桜だけかもしれません。人によっては、夏の夜、夜だけに咲くカラスウリの花もあるじゃないかと思うでしょうが、夏の夜は長いですから。短い季節の、短い時間を惜しむところに日本人の感性が表れているのだとしたら、日本人にとって特別なのは、やはり桜だな、と改めて思いました。桜が一番輝くのも、夜かもしれません。