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auf der Reise~旅の空~

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作家を目指す院生です。ドイツ留学時代の日記を中心に更新していましたが、院試(転科)→就活などのドタバタ挑戦ブログだったり、お出かけブログだったりと、割りと何でもアリで色々やっています。美術館めぐりも少々。

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ドイツ一週間一人旅⑬~ベルリン(7)ジーゲスゾイレ~

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森鴎外記念館を後にした私は、ティアガルテン地区の周辺を散策した。緑に囲まれたドイツの街も、首都ベルリンは東京のようにビルが密集しているのでは、と想像していたが、反対にどこよりも緑の多い都市だった。

ティアガルテンとは、「生き物の楽園(庭園)」の意。この地区を象徴する広大な公園「大ティアガルテン」は、ロンドンのハイド・パークに並ぶ規模であり、昔は王家の狩猟場であったという。

都市のど真ん中に、広大な森が広がっている。東京で言えば、明治神宮の鎮守の杜をさらに広大にしたような感じだ。

しばらく森のなかを気ままに歩き回り、小鳥の声に耳を傾けた。たっぷり新緑を味わったあとで、適当な出口から外へ出ると、目の前にジーゲスゾイレ(戦勝記念塔)がそびえ立っていた。

一八六四年、デンマーク戦争に勝利したことをきっかけに、プロイセンによるドイツ統一までの数々の戦勝を記念して建てられたもので、塔の先端には金に輝くギリシャ神話の勝利の女神ーーヴィクトリア女神の像がある。

円形の交差点の真ん中にあるため、本来は地下道を通るらしいのだが、行きは気づかずに通過してしまった。高い所は苦手なのだが、塔を見てしまうと登らずにはいられない。この広大な緑の都市を高い場所から一望したら、どんな景色が開けるのだろうか。

二百八十段以上の階段をせっせと登り、ようやく目の前に広がった眺望は、見渡す限りの緑だった。そこを、モーセの十戒のように、一本の道が森を切り分けて伸びている。

昔ーー高校生の頃に、「世界の道」という写真集を買ったのを思い出した。実際に見たことのない、馴染みのない風景を写真で見ても、期待したほど想像力は刺激されなかった。結局、一度見たきり本棚の奥の方にしまいこんでいたのだが、様々な「道」を見た今なら、ある種の共感を持って、あの写真集を読み返すことができそうだ。

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by white12211122 | 2015-07-20 15:45 | ドイツ留学の思い出

by みっこ