金沢を歩く。〈1〉金沢21世紀美術館
加賀百万石の城下町、金沢。伝統芸能に風情ある日本家屋ーー。
そんなイメージを持って、金沢駅に降り立った。埼玉県の川越のような場所だと思ったら、雨傘をイメージしたガラスのドーム、もてなしドームに、鳥居を思わせる赤い鼓門が目に飛び込んできた。
アメリカの旅行雑誌のウェブで、「世界で最も美しい駅十四選」に選ばれた金沢駅は、周辺には商業施設がそろっていて、江戸情緒など忘れたかのような現代的な香りが漂っている。
予想以上に栄えているね、なんて言いながら、まずは予約していた駅近くのホテルに直行して、荷物を置いた。
バスの一日券を買って、金沢散策が始まった。二泊三日の金沢旅行。五年目になる付き合いを祝う、五回目の旅行だ。
最初に向かったのが近江町市場。新鮮な海鮮丼を食べて、まずは腹ごしらえ完了。バスに乗って、今度は金沢21世紀美術館を目指した。
現代美術にはあまり興味がないけれど、「スイミング・プール」だけは一目見た時から、絶対に写真におさめたいと思っていた。
上から見下ろしても、下から見上げても、不思議な光景だった。
幻想的な水の光景。ありそうでない、奇抜な作品。夢中になってデジカメを構えた。
水面を下から眺める不思議。光が揺れている。
画面に気をとられていたせいで、思い切り頭を天井にぶつけてしまったけれど、それだけ魅力的だった、ということにしておこう。